2014/7/20〜21 八ヶ岳(赤岳2899m)
 〜岩峰を仰ぎ スリリングな登りを楽しむ〜
 2日目
赤岳展望荘〜赤岳〜中岳〜阿弥陀岳〜行者小屋〜南沢周り〜美濃戸口
 
▲赤岳への急斜面から振り返る
 
▲阿弥陀岳と赤岳の影 
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 2014年7月21日(月)海の日 天気 晴れのち曇り
 昨日は、赤岳展望荘に宿泊した。午後から雨が降り出し、一晩中雨が降ったようだが・・・・・
 ■出発時間:午前5時(赤岳展望荘)
 ■メンバー:単独
 午前3時半頃から周りがドタバタする。日の出を拝もうと言うのか・・・でも「未だ霧雨」だと誰かの声がする。「もう少し寝かせてくれ」と叫びたいところだが、女性は何かと準備が必要なんだろうと諦め、とにかくめげずに4時半まで横になっていた。
 朝食は4時からできるとのことだが、私は元々食べるつもりもないのでトイレを済ませたら出発である。 
 ガスの中、赤岳頂上目指し急斜面を登る。最初からとにかくきついが何となく青空になる気がして心は弾む。
 道は徐々に厳しくなりジグザクに滑らないように落石にも注意して歩を進める。
 鎖が見えてくると岩の絶壁を這うようにして登る。岩にへばりついた可愛い高山植物が頼もしく思える。険しい部分を通過すると青空が広がってきて赤岳頂上小屋が目の前に現れた。
 ふと阿弥陀岳側である太陽と反対側を覗き込むとガスの中に阿弥陀様が現れた。
 ブロッケン現象である。映っているのは自分ではあるが、後光が差しているのだと思うと思わず手を合わせるのである。
 赤岳山頂は小屋のある北峰と神社が建立されている南峰とある。小屋には未だ出発前の登山者が多くいて眺めを楽しんでいた。狭い南峰には、立つスペースがないほど人がいて標柱で朝食を摂っている女の子が二人居座っているので写真も撮れない。せっかくの千載一遇を楽しんでいるようなので注意をするほど私も愚かでない。(おじさんだったら注意したかも)いやな思いをするよりもその子達の笑顔を見ているほうが良いと記念写真は諦め、神社を撮って早々に阿弥陀岳を目指し、降り始める。 
 急峻な岩場は、濡れているので滑りやすい。また、前を向いて降るとザックに押されるので後ろ向きに降る。「初心わするべからず」だ。
 岩場を降り切ると阿弥陀岳の撮影ポイントだ。ここで一昨日買ったパンで朝食とする。
 中岳鞍部までは砂利の道を滑らないように降り、急登を上り返して三角錐の中岳頂上に立つ。
 目の前の阿弥陀岳はまたしてもガスで隠れてしまった。何とか阿弥陀岳頂上からの絶景が見たいと祈るが・・・・。
 中岳から再び鞍部となるがこの鞍部から行者小屋へと下山できるのでここから阿弥陀岳はピストンする。荷物を置いて行くことも出来るが、何があるかわからないので背負ったまま急斜面を這うようにして何度も途中で立ち止まり頂上に立つ。しばらく頂上でガスが抜けるのを待つが、15分立ってもガスが抜けない。それどころか益々ガスが濃くなってきたので下山することにした。
 下山は登るときよりも楽だが危険は増すので慎重に降る。鞍部に出ると今度は北に行者小屋を目指す。道は荒れたところもあるが、歩きやすくルンルン気分である。
 すれ違う登山者や前を歩く団体さんなど賑やかな道程を進み、これまた多くの登山者で埋め尽くされた行者小屋に着く。座るところもないので水を補給したら早々に南沢へと降る。
 空はいつのまにか雲に覆われ今にも雨が降りそうである。無事美濃戸山荘に着いて後は往路を戻る。長い砂利道を終えバスの発着場の美濃戸口にある八ヶ岳山荘の風呂で2日間の汗を流し、生ビールで喉を潤し、そして名物ソースカツどんを食べる。少々ソースが濃い。一昨日のヤキソバでも感じたが、この地方の味なのであろうか。
 バスに乗る頃には、たくさんの登山者が集まってくる。中には昨晩小屋で見かけた人もいる。
 茅野駅行きのバスは、来るときはガラガラだったが超満員で出発した。早くから並んでいた私は運よく座れたが、駅について降りるときはなかなか降りれなくしかも私は往復切符を買っていたが、他の人は両替したりでもたついてJRの時間に間に合うかどうかハラハラしながら急いで駅の切符売り場に行くと案の定、切符を買う人で並んでいる。
 ようやく切符を手にして特急あずさに乗車するが、これまた満員御礼。新宿まで通路に立つはめに。座っても立っても同じ料金とは不公平ではないかと言いたいところだ。
 足がパンパンになって新宿駅に着き、乗換えをして羽田空港に着くと滑走路が見えるレストランで夕焼けを見ながら一人寂しくビールで乾杯。何度もウエイトレスに声をかけるのはやっぱり自分がおじさんになったなんだと改めて思ってしまい一人で笑う。
 今回の山行は、自然に山に感謝するのはもちろんのこと、暖かく?送り出してくれた家内に一番感謝しなければならない。できれば一人寂しく乾杯ではなく二人で乾杯をしたかった。ん?うそじゃないぞぉー。
 ■ コースタイム
 美濃戸口-(55分)-美濃戸山荘-(100分)-赤岳鉱泉-(25分)-中山乗越-(8分)-行者小屋-(70分)-赤岳展望荘-(35分)-赤岳-(40分)-中岳-(30分)-阿弥陀岳-(60分)-行者小屋-(100分)-美濃戸山荘-(40分)-美濃戸口※休憩時間含めず。1日目は全行程で約5時間、2日目は約6時間半かかりました。 ※1日目:歩行距離11.2km高低差1257m、2日目:歩行距離12.4km高低差1418m
赤岳展望荘を出発(05:05)
県界尾根との分岐
ガスって視界が利かない
 鎖をたどって登る
シナノキンバイ
▲ミヤマツメクサ(深山爪草 ナデシコ科タカネツメクサ属) 団体さんが後ろに
シャクナゲ え?これ登るの 鎖場が続く
イワカガミ やった!ガスが抜けた 稜線が現れる
ブロッケン現象(クリックで拡大)
▲赤岳頂上小屋 ミヤマシガマの群落
赤岳頂上小屋(05:40)
▲岩壁に咲くシナノキンバイ(奥は北側の峰々) 赤岳南峰頂上
富士山が見える 山頂にある神社 荒々しい岩の稜線
まず、梯子を降りる 権現岳へのキレット ここから中岳方面へと降る(05:55)
チョウノスケソウ ツガザクラ
こんな岩場を降ってきた ここからも権現岳へのルートがある(06:08) 中岳と阿弥陀岳
権現岳などの峰々
▲中岳と阿弥陀岳(奥) この先に文三郎道との分岐がある
赤岳を見上げる 中岳への鞍部 チシマギキョウ
中岳頂上(06:47) 文字があるが読めない シャクナゲ
行者小屋への分岐鞍部(06:56) 阿弥陀岳を見上げる ミヤマシオガマ
ミヤマハンショウヅル  タカネグンナイフウロ イワベンケイ
梯子を登る 岩場を登る 頂上が見えてきた
阿弥陀岳頂上(07:30) 記念に 鞍部に戻る(08:14)
崩れている ミヤマミミナグサ ウスユキソウ
樹林帯を降る 文三郎道と合流(08:46) 行者小屋のテント(08:53)
南沢へ(08:57) ヘリポート 苔むした道を歩く
 団体さんが休憩中 沢沿いに歩く  何か祀られているようだ 
 橋を渡る 北沢と南沢への分岐(10:40)  美濃戸山荘 
ひたすら砂利道を歩く 八ヶ岳山荘(11:30) 風呂から出たら昼食
自然に山に感謝!!
無事帰宅
 バスに乗車(13:00)  空港レストランにてビールで乾杯  
   
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